Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~ブライアン・ノーマンJr vs 佐々木尽~

WBOウェルター級タイトルマッチ
王者:ブライアン・ノーマンJr vs 挑戦者:佐々木尽
結果:ノーマンJr5RTKO勝ち

■分析~ノーマンJrの場合~
公開練習を見た管理人 『 うっひゃー、こんなのにどうやって勝つの? 』
レーニングでも試合でも体幹バランスがよい。
どんな状況でも縦軸がブレてなく、大きく動いても軸は残している。
両足が地に引き込まれるようで、それでいて体の重さが感じられず動く時は
実にバランスがよい。
ニグロイドの先天的な利。
相手の能力を悟ってからは目いっぱい振る。
どのボクサーもバッグ打ちのラストは狂ったように、まるで地球に穴を
あけるかの如く打ったりするが
2Rから相当に力を入れて打ち込んでいる。
フィニッシュブローの左フックは
ビンセント・ペットウェイvsサイモン・ブラウンのKOシーンを見るようだった。

■分析~佐々木~場合~
過去のボクサーでは初の世界戦において 『 世界仕様 』 『 王者仕様 』 
とかの戦法を
用いて無残に散った例は多い。
普段しないことを世界戦でポジティブにできることは滅多にない。
佐々木はよそいきなところはなかった。
試合前の言動、戦法戦術、リングパフォーマンスとらしさを十分に発揮した。
ガードして押し込んでボディ、相手の右の引きに合わせて左フックの強振。
どれも実に佐々木らしい。
パンチ食うことは想定内だろうが予想を超えるダメージだったのでは。
1Rはvs日本人選手でも経験した程度。
2Rは首の骨が軋むほどの衝撃で背骨あたりが燃えるような感覚だったのでは? 
3Rは一瞬ふわっとしたが赤井vs大和田7Rを見るようだった。

何だかせつないな。
日本人の少年達は体が小さかったならばボクシングを選択もよいが
大きかったならばサッカーや野球の方がよいのかな。

観戦記~アンディ・クルス vs 三代大訓~

ライト級10回戦
アンディ・クルス vs 三代大訓
結果:クルス5RTKO勝ち

■分析~クルスの場合~
アマ王者は各国代表による短期集中のトーナメントを安定して勝ち上がる。
プロ王者はその1戦に集中して勝利を取りに行く。

プロ世界王者がアマ世界王者になったことは無い。
アマ世界王者がプロデビューで世界王者になったことはない。

世間のイメージは 『 プロ >>> アマ 』
村田氏の 『 アマがプロの下とは思ってない 』
を管理人はやけに好きだ。

■分析~三代の場合~
昭和の歌は涙腺が緩む。
筒美京平さんの曲は最高だ。 ( ちなみに詞の最高は阿久悠さん )

3R相手の右を連続で容易に食った。
左ガード以前に次元が違う。
現代はフィジカルにビハインドをとる日本選手も多くの要素が改良されてきたが根本的な違いは拭えない。

観戦記~中谷潤人 vs 西田凌佑~

WBCIBFバンタム級タイトレマッチ
WBC王者;中谷潤人 vs IBF王者:西田凌佑
結果:中谷6R終了棄権勝ち

■分析~中谷の場合~
ワンツーからの右アッパーWはジャンプしながら躊躇なく迷いなく打ち込んだ。
相手がサウスポーだからあの角度が入り易かった。
背中から振る左フックは相手の右顔面にバシバシヒットした。
フィリピノをKOした左ボディストは出なかったが、右ボディフックを力入れて打ち込んだ。
凄いリングパフォーマンス。
観客のどよめきと拍手は全てそれを称賛したものだ。
井上尚哉と大橋会長の神妙な表情も印象的だった。

■分析~西田の場合~
相手の右アッパーWは両グローブの手首あたりで止めていたか?
止めたとしてもガード開けなくなる。
ガードを内側に意識したなら外側からパンチが飛んでくる。
八方塞がりだ。
右目腫れたな。
六車氏ばりに。
まさかオーソにスイッチするか、と思われたがそこまで想定してなかった。
解説もゲスト王者らもお慰みで持ち上げていたが実力差は大きかった。

観戦記~那須川天心 vs ビクトル・サンティリャン~

バンタム級10回戦
那須川天心 vs ビクトル・サンティリャン
結果:那須川判定勝ち

■分析~那須川の場合~
芸風が専属トレーナーと被る。
左ストレートはクリーンヒットしても効かせられないのは頬を叩く感じだからか。
トレーナーがジャーマンを倒した左は打ち抜きが利いていた。
右ボディフックはクリーンヒットしても効かせられないのは筋肉を叩く感じだからか。
トレーナーがメキシカンをKOしたのは内臓に食い込んでいた。

目が良く反射神経良いから食わないがサービス精神旺盛でライバル意識もあり過剰にアグレシブか。
徹底してアウトボックスの方がチャンス大きいと思うが。

■分析~サンティリャンの場合~
メイウェザー小さくなった? とか似てないよ。
顔で言うならば大和田正春氏だ。
細身ながら大きいフック空振りしても体が流れないのは強く握ってないのかな。

観戦記~坪井智也 vs バン・タオ・トラン~

バンタム級10回戦
坪井智也 vs バン・タオ・トラン
結果:坪井判定勝ち

■分析~坪井の場合~
意図的なカウンター狙いとか無いが、まだその段階ではないのか。
相手の左フックの軌道は危険な感じはしたが食わなかったのは空間支配が優れているのか。
ロープに詰めての高速連打後、自ら下がるのは印象を残すだけなのか。
10R終始よく動けたな。

■分析~トランの場合~
開始早々相手のワンツーをブロックして軽いバックステップを見た管理人は 『 おろっ、まともか 』
1Rの途中で 『 まともなランカーじゃん 』
2Rは 『 坪井は10回戦は誤算か 』
カンター狙うが左フックが何度も空振りしたように踏み込みが足りなかった。
顔もスタイルも 『 誰かに似てるな。誰だ? 』
7Rあたり 『 ランディスイコだ 』

観戦記~増田陸 vs ミシェル・バンケス~

バンタム級10回戦
増田陸 vs ミシェル・バンケス
結果:増田1RKO勝ち

■分析~増田の場合~
普段から額に皺を寄せているのは常に顎を引いて上目使いを意識している証拠。
まさかデートの時もそんな顔してるのか。
広いスタンスで軸がブレなく均整のとれたフォーム。
90年代の同じサウスポーの長嶋氏、三谷氏あたりはフォームが美しいと言われたがそれらを凌駕する。

■分析~バンケスの場合~
オーソがサウスの左を顔の左側に食う場合とオーソの右を食うのとは
脊髄の軋み方が異なり前者はダメージ大きい。

観戦記~武居由樹 vs ユッタポン・トンディ~

WBOバンタム級タイトルマッチ
王者:武居由樹 vs 挑戦者:ユッタポン・トンディ
結果:武居1RTKO勝ち

■分析~武居の場合~
エプロンあたからの鮮明な映像すばらしい。 ( 髪の分け目もしっかり見える )
会場が静かなのも手伝いパンチが当たる音もしっかり拾っている。
管理人が初めて生観戦した時、パンチはゴツゴツした音と思っていたが、平手打ちのような音に驚いた記憶が残っている。

1回目のテイクダウンはその前の左ボディフックが実に効果的。
全く持ってボクシングのセオリーだ。
その後はイケイケで相打ち上等の攻撃。
vsハーンズ1Rのハグラーかよ、とツッコミ。

■分析~ユッタポンの場合~
腹ダブついて、カウンター狙い? の突っ立ったフォームでは打ち込まれるわ。
とは言えミドル級以降のデュランも同様だったが。 ( タイで人気らしい )
3度ダウン後続行は久しぶりに見たような。